FC2ブログ

チーク・甲板・船

日本丸に納品に行きました。
nihonmaru.jpg



青い空に映える白い船体は、まさに「用の美」。装飾がなくても、
用途を研ぎ澄ますと生まれる美しさの塊です。

 今回は、船の錨(いかり)等乗せる台を納品しました。
いかり

この大きな錨の台です。船も大きいから錨も大きくてびっくりです。

 ついでに改装中の船内を見せて頂きました。
船といいうと「鉄ばっかり」のイメージですよね。
しかし、建具・ロープかけ・ボートの櫂(オール)などが木(無垢の木)で
作られています。かなりの木質空間です。
甲板は、全てチーク貼です。
どのように甲板にチークを貼るのでしょうか?
220③


今は、FRP塗装の上に、甲板をボルトで固定します。
そして、ボルト穴には、埋木を一つ一つ施します。デッキの隙間は
コーキング材で、ふさぎます。

チークは、油気があるためか、切削しているとすぐに刃が切れなくなってしまいます。
そして、固く、摩耗しにくく、水湿に強く・金色がかった茶色が美しい色の木です。

 ですから、広ーいデッキの板一枚一枚がかなり高価です。
一万円札を踏んで歩いているようなもので、ドキドキしちゃいますね。(私だけか(^_^;))

 チークは、世界中で人気の高い木なので、今は、様々な場所(ブラジルとか)
に植林されています。最高級品はミャンマー産で(ビルマチーク)
昔は、象にひかせて運んだそうです。
ジャングルの中、黄金の大木を運ぶ象の隊列がしずしずと進む。
絵になりそうな詩的な光景ですね。

 しかし、悲しい血なまぐさい物語も重なります。
200年生の大木を売った金は、人々の生活を豊かにするために使われたのではありませんでした。
盗伐され、ゲリラの資金源となり、内戦の武器に変わりました。
今はチークの原木の輸出は厳しく規制されています。

218

 さて、この甲板は、左側に写っているヤシの実で磨きます。
すると、最初65㎜の厚みがあったチーク甲板(右)は、交換時には、すり減って、こんなに薄くなってしまいます。
219


「タワシの方が安いのでは?」と聞きましたら、
昔は、給水に訪れたハワイ等の南方の島で大量にヤシの実をもらってこられたから、だそうです。

65㎜の厚みは、表面からは、分かりませんが
船の重厚な美しさはこの厚みがないと「薄っぺらい」ものになってしまうでしょう。

人間の脳は、目に見えなくても、「厚い 薄い」 を感じる能力を持っているのでしょうか


ひかわまる

 みなとみらいに行ったら、是非、日本丸の甲板に立ってチークの歴史にも思いをはせて
頂けたらと思います。

 私は、「次はチークを納品させて欲しいわー」と
薄っぺらい呟きしか出てきませんでした。。とほ。
プロフィール

材木店店長

Author:材木店店長

記事中の写真はクリックで拡大します。


ウェブで 木材の通販 (塗装、組み立てなどの加工 も 可能) のほか、 一級建築士として、住宅の設計施工もしています。フランス語を勉強していた筈なのに、何故? しっくいや無垢の木など、自然素材を使った住宅設計が分野です。


大したことはないですが、昔からの材木族のため、木材の種類には少しは詳しいかも知れません。

趣味は建材のカタログを読むことと、文章を読んだり書いたりすることです。


この世の中にまだない、いいものやいい仕組みを作ることが
できるのではないか,
自分は何かできるのかと発達するウェブの世界をのぞく度、心震えています。



わくわくすることに出会うと、我慢出来ずに没頭するけど、
そんなんで生きて行けるのだろうか。周りの人は大丈夫なのか?


「どんな木材をどこで売っているかに興味をもたれた方は、下のバナーをクリックして下さい。お店のページに飛びます。


川島材木のページにリンク<br />

最新記事
店長のツイッター
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ